研究概要 |
我が国に於いて広く一般に普及した主な建築内外装材料とその仕上構法について、近代以降、現代に至るまでの我が国に於ける変遷を明らかにした。本年度は、塗り壁構法、木質系床構法の一部(縁甲板張り・フローリング)、フリーアクセスフロア・OAフロアを対象とし、材料の開発と普及、それに伴う構法の変化、変遷の社会的・技術的要因を下記の方法により調べた。 1,部位毎の材料・構法の概要把握と分類、内外装製品の現状調査:今日まで用いられている材料・構法を部位別に分類し、その概要を把握した。また、実際の建築を対象に、内外装製品の現状を調べた。これらをもとに、我が国における床及び壁の最も一般的な仕上材料のなかから、下記の材料を研究対象として選んだ。 (1),床仕上:木質系床構法の一部(縁甲板張り・フローリング)、フリーアクセスフロア・OAフロア (2),外面壁仕上:塗り壁構法 2,文献調査:社史・業界史、社内資料、雑誌各種、材料や構法に関する古今の書籍から、内外装仕上材料と構法の変遷に関する記述を収集した。 3,アンケート・ヒアリング調査:企業等で戦後の製品開発に携わった方々や、施工に従事してきた方々など、変遷に詳しい人を対象に、変遷に関する情報を収集した。 4,データベースの作成:収集した情報は、近代以降の建築物の構法調査をはじめ、さまざまな場面で基礎資料として活用できるよう、各種観点から検索可能な形でデータベース化した。 5,分析とまとめ:作成したデータベースから、製品の変化や各時代に求められた機能を把握し、社会背景と比較考察した。 次年度は、各時代に発売された主な建築内外装製品の発売時期と製品の特徴を、雑誌の新製品紹介記事から調べることにより、各時代で求められた機能や社会背景との関連、及びそれらの変化を示す。
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