研究課題/領域番号 |
11650639
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
古川 修文 法政大学, 工学部, 助教授 (10120833)
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研究分担者 |
永瀬 克己 法政大学, 工学部, 専任講師 (30061237)
出口 清孝 法政大学, 工学部, 教授 (30172117)
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キーワード | 沖縄 / RC造住宅 / 日射遮蔽 / 温熱環境改善 / 断熱ブロック / 省エネルギー / 住景観の修景 |
研究概要 |
平成13年度の重点研究は以下の2項目である。(1)A棟は遮蔽屋根、B棟は屋根スラブに厚さ150mmの外断熱材を施設し、遮蔽屋根と断熱材の効果を比較した(平成12年度からの継続)。(2)A棟は遮蔽屋根の下の屋根スラブに厚さ150mmの外断熱材を施設し、B棟は無施設の状態で同様に比較した。本研究は天井裏気温をどの程度下げることができるかが重点である。(1)の遮蔽屋根と断熱材の比較実験に関しては、沖縄で一般的に使われるのは厚さ35〜50mmの断熱材であるが本実験では効果を比較するために厚さ150mmとした。断熱材によってB棟の天井裏気温は相当改善されて日中はほぼ遮蔽屋根のA棟と同じになったが、夜間から明け方にかけてはA棟の方が低く、遮蔽屋根の方が有利である。その原因は、夜間には天井裏の熱が屋根スラブを通して外部に流れるが、断熱材がそれを阻止するためである。これは冬季は有利に働くことを意味している。しかし、結論として遮蔽屋根は150mmの断熱材より有利といえる。 (2)の実験は、遮蔽屋根と断熱材を併用すれば最大の効果を得られるだろうとの予測のもとに行った。結論は遮蔽屋根と断熱材を併用しても、夏季の天井裏気温は遮蔽屋根単独とほとんど変わらないことが判明した。しかし冬季を見ると断熱材を設置することは有効である。例えば外気温が16〜14℃になった一例をあげると、A棟の天井裏気温は常にB棟より4〜5度高い。外気温が最低13.3℃まで下がった0時の時点でA棟の天井裏気温は17℃であるのに対して、B棟の天井裏気温は15℃である。これは断熱材の効果である。A棟の屋根スラブ表面温度が天井裏気温より常に5度程高いのはそのためである。したがって日射の強い地域でのRC造住宅は、夏は日射遮蔽が有効であり、冬は断熱材で熱の流出を防ぐ考え方が大切である。最後に3年間で台風が数度襲来したが、遮蔽屋根の耐風性能は全く問題が無かった。
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