研究課題/領域番号 |
11650641
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
建部 謙治 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (10131137)
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研究分担者 |
林 金之 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (90064948)
林 文俊 椙山女学園大学, 短期大学部, 教授 (30148233)
鈴木 賢一 名古屋市立大学, 芸術工学部, 助教授 (00242842)
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キーワード | 子供 / 学校 / 避難計画 / 防災教育 / 複合化施設 / 空間認知 / 火災知識 / 経路選択 |
研究概要 |
本年度は、子供の火災時の避難安全に関する対応能力を見るため、近年増加している複合化された学校の児童・生徒を対象に調査を行った。複合化された学校とは、社会福祉施設や社会教育施設などが学校に併設されるもので、従来の学校施設と比べて、高層化、大規模化される。そのため子供が火災時に避難する上で新たな問題が生まれるのではないかと考えられる施設である。また、子供の持つ火災に対する意識・知識・災害時の行動・判断能力、あるいは環境としての施設の空間認知などの、学齢による発達過程、地域差などを明らかにするため、東京都内の小・中学校計11校を対象にヒアリング調査とアンケート調査を実施した。明らかになった主な内容は以下の通りである。危険な階段を避ける回避率は学年が増すにつれ高くなり、4年では5割程度、6年では6・7割程度回避できている。空間認知率については、学年が増すにつれ高くなる。火災については学年にかかわらずおおむね基本的な知識があると言えるが、煙の流動と窓の開閉処理に関する火災知識は低い。単独の避難時の判断については、子供は学校が出す指示を待つ傾向が強い。このため、単独避難を考慮した指示・指導が必要である。学年が上がるにつれ空間認知率と回避率は共に上がるため関係があると考えられる。火災知識については学年格差が見られないので回避率に関係はないと思われる。男女の回避率の差はほとんど見られない。小学校と中学校間での回避率に差は見られない。
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