研究課題/領域番号 |
11650645
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
松田 博幸 近畿大学, 工学部, 講師 (80209569)
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研究分担者 |
東樋口 護 京都大学, 工学部, 助教授 (50026366)
村永 和生 近畿大学, 工学部, 教授 (40088571)
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キーワード | 竹林 / 建築利用 / 建築生産システム / 住宅 / 建築プロセス / 需要者意識 |
研究概要 |
竹は、何世紀にもわたって、人間生活に深く関わってきた。食料として、あるいは道具として利用されている。また、戦国時代末期より、住宅建材としても利用されている。京町家や数奇屋を代表とする住宅において、小舞壁のような構造上の使用や窓・天井・建具などの意匠上の使用がなされている。 本研究の目的は、平成ll年度・12年度の2年間にわたって、建築生産の観点(建築プロセス・生産システム・需用者意識など)から、竹材の、住宅を中心とした建築物への、従来・現在の利用の検討・見直しを通して、将来の利用可能性を検討することである。本年度は、竹材の利用実態の検討が中心である。 1.文献サーベイ 竹関連の文献の特徴は、大きく、(1)竹の建築意匠への利用、(2)東南アジア諸国の竹の建築利用、(3)竹の工芸品、(4)竹の物的特性の4つに分類できる。建築利用としては、日本においては茶室を代表とする数寄屋の意匠関係が主で、東南アジア諸国のような竹を構造体の一部として利用されることは少ない。 2.竹材の建築利用実態の検討(京都市) 茶の文化と竹の関係は深く、やはり茶室を中心とした、空間演出のために、建築意匠上で利用されていることが多い。床の造作、下地窓、天井などの使用が基本である。防虫対策などのために煤竹を利用することも多い。対して、町家については、小舞竹の壁も残り、犬矢来など、意匠だけではなく、実用的に利用されている。 3.竹産地の竹材使用状況把握(大分県) 別府産業工芸試験所に対するヒアリングから、明治時代に存在した竹の村跡(竹田市)がほぼ特定できた。竹のみで生産された住宅の集落であったが、現状では、周辺地域を含めて、竹の利用はほとんどなされていない。
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