研究課題/領域番号 |
11650646
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
都市計画・建築計画
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
無漏田 芳信 福山大学, 工学部, 教授 (70219955)
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研究分担者 |
酒井 要 福山大学, 工学部, 助手 (10235103)
地濃 茂雄 新潟工科大学, 工学部, 教授 (60016673)
小林 定教 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00024315)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 都市の高温化・減湿化 / 緩和要素 / 気候類型 / 土地利用変容 / オープン・スペース / 気象官署データ / アメダス気象データ / 日本各地 |
研究概要 |
平成11年度の成果をふまえ、都市気候の温暖化・乾燥化の緩和に寄与する土地利用要素を抽出するため、観測地点周辺の30年間における土地利用変化と都市の温湿度変化との関係に着目し、都市化という観点から対比事例を有する気候類型において高温化・減湿化がみられない事例のDID地区、非DID地区、オープン・スペース(O・S)地区の面積率を検討し、さらにアメダス気象データも使用して考察を深め、以下のような結果が得られた。 (1)既往研究の実測データの整理によって観測地点周辺における土地利用指標の測定範囲を200mと設定し、クラスター分析を用いて土地利用タイプを求めて30年間におけるタイプ変化を検討することで、対比的な土地利用タイプの変化事例をもつ気候類型D、気候類型Eを抽出することができた。この気候類型別に数量化I類を用いて土地利用タイプの変化状況が都市の気温差・補正水蒸気圧差に強い規定力を示すことを検証し、O・S地区面積率が高く、かつ土地利用のタイプ変化が少ないことが高温化・減湿化に負の寄与を示すことを明らかにした。 (2)気候類型D、気候類型Eにおいて、気温上昇・水蒸気圧低下が平均値未満の事例ではO・S地区やDID建物地区にほとんど変化がなく、特に気温上昇がみられない事例ではO・S地区が40%以上、かつ緑地が30%以上か水面が40%以上であることが指摘できた。この土地利用要素が都市の高温化・減湿化の緩和に寄与する要件といえ、これを市街地の任意の地点と置き換えることで市街地緑地整備量に関する一つの知見が得られたといえる。 (3)アメダスによる経年的な気温変化を表す指標には年平均気温差より熱帯夜日数とほぼ連動する最低気温差が適していることを示し、観測地点周辺のO・S地区が40%以上で土地利用に変化がない事例では気温変化は平均値程度未満であるが、同じく40%以上でも土地利用が変化すると高温化を示す事例がみられることを指摘した。
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