本研究は公営住宅居住者の一人世帯の増加に対応するため以下のような基本的な考え方に基づいた新しい公営住宅のあり方について具体的な住宅計画と供給システムについて検討するものである。 (1)多様な家族類型に対応できる。(2)異なるライフサイクルに対応できる。(3)居住集団の互助機能を高めるような集合的協同的環境をつくる。 これまで、本研究の活動を進める共に、ある市の公営住宅の建替え計画に携わることでより具体性のある公営住宅の計画と供給システムについて検討してきた。そこではまず、建替え計画にあたり市営住宅居住者の実態調査を実施し、それに基づいて計画を行ってきた。 今年度は、その計画をもとに建設された市営住宅での入居1年目の住まい方について調査を実施した。これは計画の基本的な考え方と居住者の住まい方の実態からみた差異について検討することで居住実態に即した計画にすることを目的としている。 次に、平成12年度に実施したアンケート調査、平成13年に実施した住まい方調査および居住者による住宅の間取りを考えるワークショップ、平成14年に実施した住まい方調査、の結果をもとにより実現性の高い具体的な住宅計画について検討した。
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