研究課題/領域番号 |
11650662
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉本 俊多 広島大学, 工学部, 教授 (00127664)
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研究分担者 |
廬 永春 広島大学, 工学部, 助手 (80274124)
岡河 貢 広島大学, 工学部, 助教授 (80304400)
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キーワード | ドイツ / モダニズム / 建築 / コンピューター・グラフィックス / 形態言語 / モデリング |
研究概要 |
新規購入したグラフィック・ワークステーションおよび三次元CGソフトと、研究室に装備済みのコンピューターを用いて、建築作品のCADデータ作成およびレンダリングを行い、建築作品の形態分析を行った。今年度扱った建築作品は、ペーター・ベーレンスのAEGタービン工場およびその他の工場建築、集合住宅作品、アンリ・ヴァン・ド・ヴェルドのドイツ工作連盟劇場等である。これはドイツ・モダニズム建築の先駆けとなる作品であり、アール・ヌーヴォーからモダニズムへの変遷過程を見きわめる分析を試みた。その結果、以下のような結論を得た。 1.ベーレンスにおいては十九世紀的な建築形態言語システムを抽象化する過程で、幾何学形態要素と表層デザインの分離の傾向が判然とし、特にCGにおけるプリミティヴ立体によるモデリング、テクスチャー・マッピングによる表面処理のシステムに相似するものが見られることがわかった。といった 2.ヴァン・ド・ヴェルドにおいてはアール・ヌーヴォー的な複雑な建築形態が次第に単純化、抽象化され、立体的な幾何学デザインの次元に到達して行き、他方における有機的統一性の造形的な意志が見出され、透視図表現においてもそれが反映していたことが判明した。 以上のような結論をもとに、次年度はさらに1920年前後のドイツ表現主義建築作品について分析し、モダニズムの形成過程において起こった建築形態言語システム進化の過程を解明するものとする。
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