研究課題/領域番号 |
11650662
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉本 俊多 広島大学, 工学部, 教授 (00127664)
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研究分担者 |
廬 永春 広島大学, 工学部, 助手 (80274124)
岡河 貢 広島大学, 工学部, 助教授 (80304400)
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キーワード | ドイツ / モダニズム / 建築 / コンピューター・グラフィックス / 形態言語 / レンダリング |
研究概要 |
本科学研究費の昨年度分予算で購入したグラフィック・ワークステーションおよび三次元CGソフトを用いて、今年度掲げたテーマに関する建築作品について、三次元データの作成、入力を行い、レンダリングによってCG画像を作成し、各建築作品の形態分析を行った。今年度扱った建築作品は、ヴァルター・グロピウス(およびアドルフ・マイアー)設計のゾマーフェルト邸、ヴァイマール・バウハウス校舎校長室、全体劇場設計案、ミース・ファン・デル・ローエ設計のアレクサンダー広場改造コンペ案、第2回フリードリヒ通りオフィス建築コンペ案、帝国銀行案である。 その結果、以下のような結論を得た。 1.ヴァルター・グロピウスは1920〜30年の短期間に、順次、表現主義、構成主義、機能主義の三段階の建築形態言語を示した。すなわち、複雑な形態、細部形態、色彩、構法を示す段階、明快な直交三次元座標系を示す段階、多様な構成部材を目的合理的に統合して動的な建築像を示す段階である。また、光の処理方法という観点からも同様な三段階が示し得た。本研究に用いた高度の三次元CGソフトは、陰影の正確な表現が可能であり、特に光について成果を得た。 2.ミース・ファン・デル・ローエは1920年代後期から1930年代前期の作品を研究対象とした。そこで独特の分散配置型の都市空間デザインが開拓されたこと、壁面のガラス素材の用い方において都市空間の中での鏡面効果に工夫がなされていたことが明らかになった。前者は特にCGのシークエンス的デザイン、後者はレイトレーシングによるレンダリングが分析において効果的であった。
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