研究概要 |
基礎データとなる文献史料の整理・検討によるデータ収集が本年度の研究テーマである。可能な限りの悉皆的な文献の調査を行い、平安時代の柱間寸法や平面構成に関する記述を網羅的に収集し、母屋・庇といった平面部位・時代・利用者・利用目的などの属性に着目しながら整理を行った。一次資料の詳細な分析を基本とするため、各種史資料の購入、資料収集のための所蔵機関への調査旅行、データ整理謝金が、主要な研究経費の使途である。次に収集した資料を平面部位ごとに整理したデータをもとに、平面構成と柱間寸法の相関に関する一般的な傾向を把握した。 研究成果については、まず、現在の関連分野の成果に則しつつ、従来の研究の問題点と課題を整理し、建築史学会の学会誌に「書評 宮本長二郎著『日本原始古代の住居建築』」(建築史学,第33号,1999年9月)として発表した。続いて、具体的な事例分析をまとめて「閑院における殿舎の柱間寸法」(日本建築学会東海支部研究報告集第38号,2000年2月)として発表した。
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