研究課題/領域番号 |
11650677
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
金属物性
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
土井 稔 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (60135308)
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研究分担者 |
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 相変態 / 相分解 / オストワルド成長 / 分岐 / 弾性相互作用 / 非線形 / 耐熱合金 / 規則不規則変態 |
研究概要 |
本研究は金属間化合物の組織形成過程を種々の合金系で調査し、組織形態の静的および動的安定性に対する弾性拘束の影響について、実験および理論の両面から追究した成果である。本研究にて得られた結果は以下のようにまとめられる。 1.粒子成長の遅滞現象を実験的に確認したNi-Al-Ti合金系について、具体的に組織分岐理論を適用し、Bifurcation diagramを理論的に算出した結果、粒子成長の遅滞現象が観察された粒子サイズの実験値と理論的導かれたサイズが非常に良い一致を示した。従来、組織分岐理論は組織形態の分岐に対する定性的な理論と考えられがちであったが、本理論が条件によって定量性を有することが明らかとなった。 2.Ni-Al-Ti合金のγ'母相中におけるγ不規則粒子の、粒子サイズ増加に伴う安定形状の変化を実験的に決定するとともに、理論的に粒子の平衡形状を算出した結果、両者は定量的に非常に良く一致した。 3.Ni-Al-Ti合金のγ'析出粒子の成長過程において、弾性拘束によって個々の粒子が板状もしくは棒状へと変化し、このことが隣接した粒子間の接触確率を向上させ、粒子の粗大化が加速されることを実験的に見出した。 4.α-Ti/Ti_3Alの2相領域におけるTi_3Al析出粒子粗大化挙動において、Ti_3Al粒子が球から棒状へと変化し、この形態変化を微視力学に基づき解析した結果、両者は定量的に非常に良く一致した。 5.Al-rich TiAl金属間化合物の相分解においてTi_3Al_5析出相が析出する現象をPhase-field法に基づき解析した結果、相分解初期のツイード構造の配向性は弾性異方性と拡散係数異方性のバランスによって決まり、相分解後期の析出相の形態は、弾性拘束によって支配されていることが明らかとなった。
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