研究課題/領域番号 |
11650678
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
小坂井 孝生 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80110253)
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研究分担者 |
小山 敏幸 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (80225599)
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キーワード | 二相分離 / 三相分離 / 三相スピノーダル分解 / B2金属間化合物 / 微細組織 / 透過電子顕微鏡 / D0_3規則相 / ホイスラー |
研究概要 |
本年度は、初年度の研究で明らかとなったFe-Al-Co三元系の相平衡に対するTi添加の影響に関する研究を更に進めるとともに、初年度の研究で明らかになったA2+B2+D0_3三相共存領域の合金における相分離過程の実験的観察を行った。その結果、以下の成果を得た。 1.Fe-Al-Co三元系で不規則相A2と規則相B2とに2相分離する合金でFeの一部をTiで1%および3%置換した合金を用い、不規則相、規則相の出現、相分離の存在を透過電子顕微鏡観察で調べた。その結果、(1)Tiの1%添加はA2+B2二相分離領域を50Kほど高温側に引き上げるものの、D0_3規則相は相変更に関与しないこと、(2)Tiの3%添加では、2%添加に比べてD0_3規則相が更に安定化するもののA2+B2+D0_3三相共存が観察できる温度範囲は狭くなること、したがって、(3)相平衡の急激な変化がTi添加1%と2%の間で生じていることが明かとなった。 2.Ti3%添加合金においてもTi原子は主にD0_3相に分配され、そのTi量は9〜13at%である。このことはTi添加で現われるD0_3相はCo-Ti-Al三元系に存在するCo_2AlTiホイスラー相に何らかの関連があることが示唆される。 3.A2+B2+D0_3三相共存領域の合金をB2単相状態から相分解させたところ、三相スピノーダル分解が生じていることがわかった。
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