研究概要 |
本研究は、広い組成範囲でA2+B2二相分離を示すFe-Al-Co3元合金にTi元素を少量添加したFe-Al-Co-Ti4元合金において、B2およびD0_3の各金属間化合物の安定性を電子顕微鏡法、X線回折などにより調べ,各金属間化合物相の単相安定領域、多相領域あるいは規則化の2次変態線などの存在範囲を平衡状態図として表すとともに、相分離過程を組織的に明らかにする目的で実施された。 本年度は、H11年度およびH12年度の研究で得られた結果のうち、A2、B2およびD0_3相の3相共存領域およびこれらの相からなる各2相領域を実験的に調べ、それら各領域の安定範囲の詳細を明らかにすることができた。 また、A2+B2+D0_3 3相領域の合金における相分解過程を引き続き透過電子顕微鏡を用いて調べ、(1)A2+D0_3二相共存状態から相分解させた時には、B2相は最初に存在していたA2相とD0_3相との界面に優先的に形成され、A2相およびD0_3相内にはあらわれないこと、(2)B2+D0_3二相状態から相分解させたときにもA2相はB2相とD0_3相との界面に析出するとともに、一部B2母相内にも形成される、ことがわかった。 更にFe-Al-Co3元合金でA2+B2 2相分解過程の初期を観察し、組織の定量解析から相分解がスピノーダル分解により生じていることを明らかにした。
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