研究課題/領域番号 |
11650682
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
小杉 俊男 広島大学, 理学部, 講師 (10153545)
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研究分担者 |
中道 功 広島大学, 理学部, 助手 (40142335)
西野 洋一 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50198488)
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キーワード | 転位-溶質原子相互作用 / 銅 / 固溶強化 / 内部摩擦 / 振幅依存性 / 低温 / 相互作用 / ポテンシャル |
研究概要 |
銅結晶における、転位と溶質原子の相互作用エネルギーの正確かつ系統的決定を行う目的で、銅の振幅依存性内部摩擦(ADIF)を溶質原子種を系統的に変えて測定するのが本研究の計画(本年度から3年間)である。そのため、初年度は今までのAl結晶での成果の検討とまとめ、銅結晶試料の試作、本研究のための高純度銅の購入や熱処理のための高真空排気装置の製作、今後の研究計画の打ち合わせ等を実行した。 まず、Al結晶の成果を7月にアルゼンチン、ブエノスアイレスで開催された第12回内部摩擦国際会議(ICIFUAS-12)で発表した(小杉)。この結果はJ.AlloysCompoundsに掲載予定である。つぎに銅単結晶試料の試作を純度99.99%のいわゆる4N銅を用いて行った(西野)。得られた結晶は内部摩擦測定用として十分なサイズと評価できた。現在この試料を用いて内部摩擦の測定の準備を行っている。今後の課題として、溶質原子を制御し、系統的に導入した銅希薄合金の単結晶化を行い、さらにその濃度は100ppm程度以下にする必要があるので、銅の母材の純度はさらによいものが望まれる。そのためJohnson Mattheyから5N銅を購入し、高純度希薄合金単結晶の作成を努力している。 測定用試料は欠陥制御のため、高真空下での熱処理が必要となるので、ターボ分子ポンプ排気ユニット(エドワース製)および真空ゲージ(エドワース製)を購入し、高真空排気装置を完成させた。また試料圧延のための圧延機(DBR50S)用ロールおよびロール軸受けを購入した。以上の結果をふまえ、来年度には4N銅単結晶の低温内部摩擦の測定を行い、転位と不純物原子の相互作用を評価すると共に、溶質原子を制御した単結晶試料の作成および測定を進めたい。
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