• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2000 年度 実績報告書

中性子照射した金属中の点欠陥集合体の高温での動的挙動の電子顕微鏡観察による研究

研究課題

研究課題/領域番号 11650683
研究機関広島大学

研究代表者

向田 一郎  広島大学, 工学部, 助手 (70209980)

研究分担者 下村 義治  広島大学, 工学部, 教授 (40033831)
キーワード照射損傷 / ボイド / 点欠陥集合体 / 転位構造 / 透過型電子顕微鏡 / その場観察
研究概要

平成12年度においては昨年の焼鈍実験による結果を踏まえて主にボイド動的挙動高温その場観察を行った。中性子照射は京大原子炉精密制御照射管(KUR-SSS)を用いて行った。照射温度は300℃で照射量を10^<-4>〜10^<-3>dpaの範囲で照射を行った。試料は放射線冷却の後、電解研磨を行い透過電子顕微鏡試料とした。試料は加熱ステージに装填し、300および350℃においてその場観察を行った。純銅中に形成されたボイド(サイズ:3〜16nm)の観察を行った結果、10nm以下のボイドは300℃以上において移動することが確認された。ボイドが移動する際には円状に白く観察されるボイドが楕円状に変化して長手方向に一次元運動をして移動する。その移動方向はFCCの[110]方向に近い方位に移動していた。このコントラストの変化はボイド周辺の原子の構造緩和によると考えられる。さらに大きなボイド(サイズ:16nm)は楕円状の構造緩和は起こさないが、観察中に3つに分裂してそれぞれが移動できるサイズに変化することが観察された。これらの観察結果より、10nm以下のボイドは移動することが可能であり、照射中にボイドが移動・合体をすることによりボイド数密度の減少およびボイドサイズの増大が起きていると考えられる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Y.Shimomura : "Development of vacancy clusters in neutron-irradiated copper at high temperature"J.Nucl.Mater.. 283-287. 249-254 (2000)

  • [文献書誌] I.Mukouda: "Microstructure in pure copper irradiated by simultaneous multi-ion beam of hydrogen,helium and self ions"J.Nucl.Mater.. 283-287. 302-305 (2000)

  • [文献書誌] I.Mukouda : "Annihilation of Interstitial Atoms to Dislocations in Neutron-irradiated Cu and Ni at High Temperature"Materials Science & Engineering : A. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Y.Shimomura : "Atomistic Mechanism of Nucleation and Growth of Voids in Cu studied by Computer Simulation :"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] I.Mukouda : "Dynamical Behavior of Voids in Neutron-irradiated Copper at Elevated Temperature "Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. (in press). (2001)

  • [文献書誌] Y.Shimomura: "Point Defects Observed in D-T neutron irradiated Copper, Silver and Gold at 288K with a Rotating Target in FNS JAERI"Mat.Res.Soc.Symp.Proc.. (in press). (2001)

URL: 

公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi