| 研究概要 |
(NH_4)_2SO_4,K_2SeO_4,(NH_4)_2BeF_4などの硫安系強誘電体単結晶の光学観測を顕微鏡用試料冷却加熱装置を使って広範囲の温度領域にわたっておこない、これら硫安系強誘電体単結晶の光学的性質の比較・検討行った.
(NH_4)_2BeF_4の分極軸(b軸)に垂直な(ca)面で,室温からの温度降下にともない,干渉色の色相変化が観測された.(bc),(ab)面ではこの干渉色の色相変化が認られなかった.常誘電相,強誘電相において,温度変化に伴う干渉色の色相変化の発現から複屈折率の変化すなわち誘電率の変化を光学的に検出することができた.干渉色の色相変化は室温からT_cまでの常誘電相では屈折率の差が増大し,T_cから77K付近までの強誘電相では屈折率の差が減少することが分かった.インコメンシュレート相の温度範囲(183K〜177K)では干渉色の色相変化がなく,超格子構造の存在が光学観測で確認できた.
K_2SeO_4においても分極軸(c軸)に垂直な面内で,常誘電相において干渉色の色相変化を観測した.インコメンシュレート相(130K〜93K)では干渉色の色相変化は観測されなかった.冷却加熱装置の観測温度範囲の制限から強誘電相での干渉色の色相変化を確認できなかった.
(NH_4)_2SO_4では常誘電相,強誘電相において,温度変化に伴う干渉色の色相変化がともに観測された.また,常磁性イオン(Cu^<2+>)を添加した(NH_4)_2SO_4結晶の光学観測により,結晶表面に不規則な格子状の模様が観測された.
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