研究概要 |
本年度の実施計画に基づいて,以下の研究を実施した. (1)相対密度99%,粒径2μmの多結晶アルミナの光子・電子の同時計測を行ったところ,光子の放出パターンと電子の放出パターンには,大まかな対応があることがわかった.ただし,詳細に見ていくと,必ずしも,完全に一致しているということではなく,若干の差異も存在した. (2)多結晶マグネシアおよび多結晶アルミナの光子のエネルギー分布について予備的に検討した.その結果,多結晶マグネシアでは,破壊直後には,可視光が放出されるが,数ミリ秒後には,主に赤外光の放出のみになることがわかった.また,多結晶アルミナでも同様の傾向が認められた. (3)多結晶マグネシアから放出される光子は,300-400nm,500-650nm,600-850nmであり,多結晶アルミナから放出される光子は,300-400nm,500-650nmであることがわかった.これらの発光は,多結晶マグネシアおよび多結晶アルミナのサーモルミネッセンスあるいはフォトルミネッセンスの発光ピークと対応しているので,破壊過程で放出された弾性エネルギーがエネルギー移動し,色中心などで光に変換されて発光するものと考察した.
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