研究概要 |
電子線走査微小部分析装置(EPMA:現有)に特製のプローブを作製し、設備備品として購入した高感度分光光度計を装着し、試料からのμm領域のカソードルミネッセンス(CL)を測定できるシステムを完成させた。併せて、試料からのフォトルミネッセンス(PL)、X線励起ルミネッセンス(XL)を測定できるシステムも構築した。これらの分光システムを用いて、以下の結果が得られた。(1)Eu,Sm,Gdを添加したCdWO_4単結晶系で各ルミネッセンスを測定した。Smを添加したCdWO_4単結晶では、CL,PLは高波長側にシフトすることを見出した。しかし,XLではシフトは観測されなかった。発光に3種類存在することを解析した。X線光電子分光法(XPS)で得られる価電子帯のシフトから発光波長制御を検討した。これらは学術誌に発表が許可された。(2)CdOとWO_3をターゲットとしてレーザーを照射し、CdWO_4薄膜を作製できる。Smをターゲットに添加し、Sm-CdWO_4薄膜を作製し、室温可視光発光波長制御をμm領域解析より検討した。薄膜は873K作製により結晶性が改善され、長波長側にPL,CLがシフトした。特にXLでも長波長側に40nmシフトし、シンチレーターとしてSiディテクター特性に合致する薄膜を作製することができた。これらの結果を学術誌として投稿した。(3)ゼオライトの7Åの3次元細孔内にSi有機分子を吸着分解し、Si微細構造を作製した。この試料のPLを測定し、Si微細構造の終端基によりPL特性が現れることを見出した。投稿準備中である。
|