超低周波機械的分光法に最も適したシステムとしてねじり振動型逆つり振り子を採用した。ねじり振動を与えるための駆動源として電磁石を用いるがソレノイド型の磁石では変位に対して一定の力を与えることができないのでヘルムホルツ型の電磁石を駆動用磁石として採用した。様々な除振処置や電気的ノイズなどを低下させることで、0.0001ヘルツから3ヘルツまでの周波数レンジを持つ機械的分光法を確立した。2000度以上の超高温測定のために、これまで開発してきた超高温炉を組み込んだ。超高温炉からの輻射熱で磁石の安定性に大きな影響を与えることが予想されたので磁石に充分な熱遮蔽をすることで0.001ヘルツまでの測定が2500度までできるようになった。この装置の開発で窒化珪素や炭化珪素の2000度付近における結晶成長過程や粒界粘性のダイナミクスが明らかにされた。これらの成果は次の論文に詳しく解説されている。超低周波超高温メカニカルスペクトロスコピー装置の詳細については鉱物学会誌に詳しく報告した。また、この研究の目的であるメカニカルスペクトロスコピーのセラミックスへの応用は炭化珪素への応用がある。炭化珪素はセラミックスの中でも特に高融点材料で2000℃を越す超高温での測定が必要であった。その成果についてはGrain boundary viscosity of pre-oxidized and nitrogen annealed slicon carbidesとして投稿中である。
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