研究課題/領域番号 |
11650710
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
矢野 彰一郎 日本大学, 理工学部, 教授 (50297777)
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研究分担者 |
栗田 公夫 日本大学, 理工学部, 教授 (50059648)
澤口 孝志 日本大学, 理工学部, 助教授 (20102551)
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キーワード | バクテリアセルロース / 有機・無機ハイブリッド / ゾルーゲル法 / シリカゲル / 圧縮クリープ / 圧縮応力緩和 / ハイドロゲル / バイオミメティック |
研究概要 |
グルコース、ポリペプトン、硫酸マグネシウム、イースト抽出物等を水に溶かしたものにエタノールとマンニトールを加え、培養液とする。これに酢酸菌を植え付ける。30℃で10日間置くとセルロースのハイドロゲルが生成する。グルコースの量が多いほどゲルの厚さは厚くなる。8wt%で約2cmのゲルが得られた。稲や珪藻等の植物は、外界からシリカの水溶液を取り込み、複合タンパク上に沈着してバイオコンポジットを形成し、生体の補強や光合成の促進を行うといわれている。本研究ではこのようなバイオミネラリゼーションを模倣してセルロースハイドロゲルを補強する目的で、シリカをゲル中に分散させることを試みた。これは、セルロースハイドロゲルを所定の条件で得た後、水分を30から40%程度脱水し、テトラエトキシシラン(TEOS)から得たシラノールゾルの水溶液を注ぎ込み、室温でゲル化させ、セルロースハイドロゲル中にシリカをインシチュウで分散させ、有機・無機ハイブリッドを調製した。このようなハイドロゲルの力学特性を評価するために圧縮クリープ並びに圧縮応力緩和の測定を行った。クリープでは力学モデルとして、一つのVoigtモデルにスプリングを直列につないだ3要素モデルで近似できた。しかしながら遅延時間は、荷重に依存し、荷重が大きくなる程短くなった。また回復は僅かながら観測されるが、荷重が大きいと観測されなくなった。TEOSを加えてハイブリッド化すると、TEOSの量が多くなる程歪みの大きさが小さくなり、遅延時間も短くなった。応力緩和は、圧縮型のデバイスを作成し、インストロンタイプの万能試験機で測定が可能であった。この場合は,Maxwellモデルが3個並列に結合したモデルで近似できた。
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