研究課題/領域番号 |
11650715
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
高島 和希 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教授 (60163193)
|
研究分担者 |
安藤 新二 熊本大学, 工学部, 講師 (40222781)
下条 雅幸 東京工業大学, 精密工学研究所, 助手 (00242313)
肥後 矢吉 東京工業大学, 精密工学研究所, 教授 (30016802)
|
キーワード | HCP金属 / 単結晶 / 疲労き裂伝播 / チタン / 結晶方位 / 分子動力学 / すべり / 双晶 |
研究概要 |
金属材料の疲労き裂伝播の素過程明らかにし、疲労き裂伝播抵抗に優れる材料を開発するためには、単結晶におけるき裂伝播機構を明らかにすることが重要である。それにもかかわらず、単結晶を用いた疲労き裂伝播に関する研究は少ない。特にHCP金属にはチタン、マグネシウムなど構造材料として重要なものが多いにもかかわらず、HCP金属の疲労き裂伝播機構の詳細についてはほとんど知られていない。そこで本研究では、HCP金属単結晶について疲労き裂伝播機構を総合的に明らかにすることを目的としている。平成11年度においては、チタン単結晶について疲労き裂伝播試験を行い、破面近傍の透過電顕観察を行うとともに、分子動力学シミュレーションを行い、き裂伝播機構について考察した。試料には純チタン圧延板から歪焼鈍法によって作製した単結晶CT試験片を用いた。試験片の方位は、切欠先端で柱面すべりが活動する方位とした。この試験片に対して、室温、大気中で疲労き裂伝播試験を行った。試験後の破面近傍から集束イオンビーム加工機を用いて、透過電顕観察試料を切り出した。透過電顕観察の結果、2つの柱面すべりが活動していることが確認できた。このことは2つの柱面すべりが交互に活動することでき裂伝播が起こることを示唆している。この方位の試験片に対して、分子動力学シミュレーションを行った結果、柱面すべりの交互の活動によって疲労き裂が伝播する過程を観察することができ、この方位に対する疲労き裂伝播機構を明らかにすることができた。
|