研究課題/領域番号 |
11650726
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
高木 誠 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (40288428)
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研究分担者 |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80173889)
井村 徹 愛知工業大学, 工学部, 客員教授 (50022968)
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キーワード | ナノ結晶材料 / 金属ガラス / 非平衡材料 / トライボロジー / マイクロマシン / マイクロトライボロジー |
研究概要 |
マイクロマシン用材料として期待されるナノ結晶材料やアモルファス材料といったナノ構造からなる非平衡材料を作製し、それらのトライボロジー特性や超塑性等の機械的性質を調べた。現在までに得られている結果を以下に示す。 (1)ナノ結晶Al-Ti-Fe-Cr合金に強化材としてSiC粉末を添加した複合材料を、急速凝固粉末冶金法で作製し、摩耗特性を調べた。その結果、常温のみならず加熱下(473K)においても、従来の高強度Al合金に優る良好な耐摩耗性を示した。この高耐摩耗性は、常温では母材のナノ結晶Al合金の高硬度に起因し、加熱下ではSiC強化材が摩耗の障害物となることに起因するものと考えられる。 (2)広い過冷却液体領域を持つPt基金属ガラス(アモルファス合金)を液体急冷単ロール法で作製し、引張変形挙動を調べた。その結果、過冷却液体領域内の温度で、1000%歪以上の巨大伸びを示す高速超塑性を発現することが明らかになった。この高速超塑性変形後もアモルファス構造と平滑な表面形状は保持されることを確認した。 (3)イオンビーム支援蒸着法でArイオン導入量を変化させてC-N薄膜を作製し、トライボロジー特性を調べた。その結果、Ar/N_2比にかかわらず低い摩擦係数を示し、耐摩耗性はAr/N_2比1.0で最も良好になった。 以上のように、マイクロマシン用材料として摺動部に必要なトライボロジー特性や、微小形状の塑性加工に有用な超塑性について、ナノ構造材料の基本特性が明らかになってきている。
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