研究課題/領域番号 |
11650726
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
高木 誠 愛知工業大学, 工学部, 助教授 (40288428)
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研究分担者 |
松室 昭仁 名古屋大学, 工学部, 助教授 (80173889)
井村 徹 愛知工業大学, 工学部, 客員教授 (50022968)
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キーワード | ナノ結晶材料 / 金属ガラス / 非平衡材料 / トライボロジー / マイクロマシン / マイクロトライボロジー |
研究概要 |
マイクロマシン用材料として期待されるナノ結晶材料やアモルファス材料といったナノ構造からなる非平衡材料を作製し、それらのトライボロジー特性を中心に機械的性質を調べた。また、走差プローブ顕微鏡を用いて、微小荷重・微小面積下の摩擦・摩耗についても調べた。得られた結果を以下に示す。 (1)溶湯急冷鋳造法で作製したZr基金属ガラスおよびその複合材料について、室温における乾式の摩耗特性を調べた。その結果、Zr基金属ガラスとそれにZrC強化材を15vol%添加した複合材料は良好な耐摩耗性を示した。これらの両材料には、摩擦による顕著な結晶化はみられなかった。 (2)原子間力顕微鏡(AFM)を用いて、微小荷重・微小面積下の摩擦・摩耗について調べた。尚、試料にはSi単結晶を用い、相手材である短針は窒化けい素製を使用した。その結果、1μN以上の垂直力を作用させて短針を走差すると摩耗痕が現われ、その深さは、荷重と摩擦回数の増加に伴い増加した。走差方向に直角な摩耗痕端部には、Siの塑性変形あるいは酸化などの化学的変化によると思われる隆起が現われ、摩耗体積の大部分は摩耗粉として脱離した。 (3)イオンビーム支援蒸着法を用いて各種実用材料の表面に硬質CN薄膜を作製し、そのトライボロジー特性や密着性を調べた。その結果、Al合金や高炭素Cr鋼を基板材料とした場合、CN膜と基板間に中間層としてC膜を形成することで、CN膜と基板との密着性を向上させることができ、良好な耐摩耗性が得られた。 以上のように、マイクロマシンの実用化に必要な微小面積・微小荷重下のトライボロジー(マイクロトライボロジーや、新しいマイクロマシン用材料として、バルク金属ガラスや硬質薄膜などのナノ構造材料の基本特性を明らかにした。
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