研究課題/領域番号 |
11650737
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
材料加工・処理
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
服部 修次 福井大学, 工学部, 教授 (00143933)
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研究分担者 |
伊藤 隆基 福井大学, 工学部, 助手 (40242581)
前川 紀英 福井大学, 工学部, 助手 (20262610)
飯井 俊行 福井大学, 工学部, 助教授 (10313727)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | 表面改質 / キャビテーション / 疲労 / 磁歪振動 / Cushion effect |
研究概要 |
本研究では、ショットピーニング効果の高いとされている軟質材料のうち、一般構造用圧延鋼材のSS400と、加工硬化性の高いオーステナイト系ステンレス鋼SUS304を用いて磁歪振動キャビテーションによる表面処理の疲労強度向上について検討した。最初に両材料のキャビテーションによる残留応力の発生について検討したところ、キャビテーションによる表面処理を施すと潜伏期間中に圧縮残留応力が増加し、その値は-190〜-290MPaとなることが分かり、潜伏期間中のある時間までキャビテーションを付与すれば疲労強度が向上することが期待された。そこで、平面曲げ疲労試験機により、平滑材と円孔切欠き材の疲労試験を行い、その結果SS400のような腐食しやすい鉄鋼材料ではキャビテーション処理を施した際に、金属表面に腐食ピットが形成され、その部分からき裂が発生するために疲労強度向上があまり見られなかった。一方、耐食性の良いSUS304の平滑材、切欠き材ではキャビテーション処理によって疲労限度が約15%向上した。また、キャビテーション処理が疲労き裂の発生もしくは進展に影響しているかを調べるために、SUS304切欠き材のき裂進展を測定したところ、未処理材ではゆっくりとき裂が進展するのに対して、処理材では一気にき裂が進展した。従って、キャビテーション処理はき裂の発生を大きく抑制していると考えられた。さらに、ショットピーニングできないU溝を施した試験片を用いて引張圧縮疲労試験を行い、同様にキャビテーション処理による効果について検討したところ、疲労寿命が約4倍に延びることが分かった。しかし、気泡によるクッション効果の影響で結果にばらつきがみられ、そのようなクッション効果を防ぐことができればさらに疲労寿命を向上させることができると期待される。
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