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2000 年度 実績報告書

非平衡相から平衡相への相変化が及ぼす緻密化挙動への効果とナノ結晶粒材の形成

研究課題

研究課題/領域番号 11650738
研究機関滋賀大学

研究代表者

磯西 和夫  滋賀大学, 教育学部, 助教授 (50223061)

キーワード緻密化挙動 / 超塑性変形 / 加圧焼結 / 真空ホットプレス / チタンシリサイド / Ti5Si3 / メカニカルアロイング / MA
研究概要

前年度の予備的な検討をふまえて、より、広範囲な実験条件下で研究を進めた。
100h、および1000hメカニカルアロイングしたTi-37.5mol%Si組成の粉末を実験に用いた。前者の粉末はTiとSiからなるラメラ状組織を呈している(ラメラ粉末とする)のに対して、後者は長時間のMAで均一な組織となり、X線回折ではいわゆるアモルファスライクなプロファイル(アモルファス粉末とする)を示した。加熱に伴ってラメラ粉末は発熱量の少ない複数の反応を経てシリサイドが生成された。これに対してアモルファス粉末は単一の大きな発熱反応(885K)で一気にTi_5Si_3が生成された。これらの粉末を一定圧力、および一定昇温速度で真空ホットプレスした。アモルファス粉末はTi_5Si_3への相変化温度と対応した温度で焼結体密度の特異的な増加が認められた後、焼結体の密度増加は停止した。これは、相変化によってアモルファス粉末はほぼTi_5Si_3単相となるため、このような低温では、粉末の変形が困難であったためと考えられる。これに対してラメラ粉末においても相変化時に焼結体密度の増加が見つめられたが、化学両論組成とは異なるシリサイド(TiSi)が生成し、さらにTiとSiが残存するため、相変化後も密度の増加は継続した。両粉末とも、真空ホットプレス圧力の増加とともに相変化時の密度変化量は増大した。このような緻密化挙動は相変化に伴って粉末粒子が特異的な塑性変形を生じたためと考える。
真空ホットプレス温度がさらに上昇し約1050Kから再び焼結体の密度が上昇を始めた。前述のように低温域においてはTi_5Si_3の特性から粉末粒子の変形が不可能であり結果として密度増加が生じなかった。従って高温域では全く別のメカニズム、すなわち粒界すベりによって緻密化が進行したと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Kazuo ISONISHI: "Densification Behavior of Mechanically Alloyed Powders Having Unstable Phases by Vacuum Hot Pressing."Proc.PM2000 world comgress. (in press). (2001)

  • [文献書誌] 磯西和夫,浅野正浩: "非平行相からなるMA粉末の加圧焼結における相変化の効果"粉体および粉末冶金. 48・1. 77-81 (2001)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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