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1999 年度 実績報告書

クロムフリー硬質膜作成を目的としたすず電析多層膜の熱的過程による合金化

研究課題

研究課題/領域番号 11650754
研究機関鈴鹿工業高等専門学校

研究代表者

兼松 秀行  鈴鹿工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (10185952)

キーワードクロムフリー / 硬質めっき質 / すずめっき / ニッケルめっき / すず-ニッケル合金めっき / 多層膜 / テトラフルオロほう酸浴 / ワット浴
研究概要

環境付加の低いめっきが模索される昨今、硬質クロムめっきも近い将来限定的な使用を余儀なくされることが予測され、代替材料としてすずニッケル系が検討されている。従来この系は水溶液からの合金めっきにより形成されるが、その皮膜は例外なく平衡状態図には認められないNiSnであり、その他の多彩な化合物層を形成できないために、代替材料としての可能性が限定されている。そこで本研究では、すず、ニッケルの多層膜を二段階の電析により材料表面に形成させ、その後熱処理を行い、熱処理条件による合金皮膜の可能性を検討した。基板としては銅板(板厚2mm)を用いた。これを1×2cmの小片に切り出し、片側にリード線を接続しエポキシ樹脂で前面を被覆して、反対側の一面のみを電極とした。フルオロホウ酸-ほうフッ化すず浴(常温)において所定の電流密度によりすずを電析させた後、323Kのワット浴中において所定の電流密度でニッケルを電析させ、すず-ニッケル多層めっき膜を形成させた。これらの試料を413K、473Kのシリコンオイル中において各種時間等温熱処理し、切断・水洗・乾燥させた後、X線回折(XRD)、蛍光X線、SEM-EDXにより分析した。二段階の電析により、すず、ニッケルの膜が形成されていることがXRD,SEMにより示された。しかしその後のシリコンオイル中における熱処理により、XRDスペクトルにおける表面電析膜のニッケル、基板の銅のピークは未処理の場合と同様に現れていたが、熱処理時間を増大させると、864ks熱処理後の試料においては、すずのピークは、蛍光X線においてはその存在が明確であるにもかかわらず、XRDにおいては認められなくなった。SEM-EDXを用いた元素分析により、熱処理後のすずは表面皮膜層全体に認められた。すずが熱処理によりニッケル中を拡散して、分散していることが推定される。残念ながら合金層の生成をXRDあるいはSEMで確認することができなかった。これはニッケル皮膜形成のためにワット浴中へ試料を浸漬した際に、あらかじめ電析していたすず層が溶解して量が減少するためであると考えられる。それにもかかわらず、分散したすずは局部的にニッケルと合金層を生成している可能性があると考えている。各種試料の硬さを測定すると、473Kにて864ks熱処理後の試料は硬さが400ビッカース硬さに到達するのが認められた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 兼松秀行,小林達正,沖猛雄: "熱的過程によるすずニッケル多層膜の合金化挙動"日本金属学会1999年秋期大会講演概要集. 125. 521-521 (1999)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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