研究課題/領域番号 |
11650766
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
森 信幸 九州大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20108666)
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研究分担者 |
大城 桂作 九州大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40038005)
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キーワード | YBa2Cu307-X / 超伝導 / 包晶 / 核生成 / ファセット / 凝固 / シミュレーション / 超伝導酸化物 |
研究概要 |
超伝導YBCO酸化物において、融液+211相状態からの過冷により123相がファセット型包晶凝固する際の結晶核生成・成長過程について、数十〜数百倍の範囲でズーム出来る顕微鏡装置を用いた高温型直接観察装置を作成して直接観察し、得られた画像の解析とシミュレーションにより組織形成過程を解析した。結晶の溶解・成長実験は、主としてMgO単結晶(100)基盤に塗布したYBCO厚膜(厚さ約200μm)を抵抗炉内で融点以上の融液+211状態に加熱後、冷却して一定温度に過冷させて行った。核生成した123結晶を速やかに捕らえるため、観察倍率が自由に変えられることを利用して種々の観察範囲と倍率で試料全面を観察・録画し、ビデオ画像から得られた静止画像を解析して過冷度ΔTと結晶成長速度R、及び核生成速度Ivなどの関係を求めた。核生成は基盤の表面性状にも影響され、表面清浄度が大きい熱処理基盤では基盤から結晶方位を受け継いだ123結晶粒が多く核生成し、清浄度の低い場合はほとんど基盤に無関係なランダム方位の結晶であった。以上の実験結果より各過冷度で一定固相率fsoになる時間t(fso)を求めた結果をTTT図に示し、Iv-ΔT図及びTTT図に関する理論式の係数について実験値による最適化を行うことにより123組成試料のTTT曲線図を作成し、実験結果が良く説明されることを示した。また、CCT図を作成し、一方向凝固による123相結晶組織組成に関する従来の研究との比較により、結晶の核生成と成長の競合及び柱状晶一等軸晶遷移問題についても検討した。さらに、ファセット型包晶凝固の計算機解析による123相成長に及ぼす諸要因の影響の解析を行った。
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