研究課題/領域番号 |
11650770
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研究機関 | 福井工業大学 |
研究代表者 |
幸塚 善作 福井工業大学, 工学部, 教授 (80028935)
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研究分担者 |
羽木 秀樹 福井工業大学, 工学部, 教授 (40117213)
渋谷 敦義 福井工業大学, 工学部, 教授 (40288337)
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キーワード | 成分センサ / 瞬間測定型センサ / 合金浴中のセンサ / 亜鉛濃淡電池 / コンポジット型電解質 |
研究概要 |
共晶組成のKC1-LiClに5%のZnCl_2を加えた溶融塩を電解質とし、Zn(1)を参照極、Zn合金浴(1)を測定極としたZn濃淡電池の起電力測定値から合金浴中のZn濃度が検出できるセンサを開発するための基礎研究を行った。センサとするためには単なる溶融塩ではなく適当な固体担体に溶融塩を浸み込ませたコンポジット型電解質を採用すべきであるので適当な固体担体と、それと溶融塩との混合比を選定することが必要である。さらにZnの融点以下の温度で使用するならばZn棒を参照極にできるので簡単であるが、融点以上の温度でのニ一ズの方が多いものと考えられるので、Zn融体を内蔵した特殊な形状のセンサを開発することが必要となる.合金浴としてはZn-PbとZn-Sn合金系を選び、それらをタンマン管中で溶解し、その中にセンサを浸漬することにより次のようなZn濃淡電池を構成し、その起電力を測定する実験を行った。Zn(1)/Zncl_2(in KCl-LiCl)(1)KCl(s)/Zn-Pb(1):Zn(1)/ZnCl_2(in KCl-LiC1)(1)+KCl(s)/Zn-Sn(l)Zn-Pb系については773Kで0.1%Znおよび1.62%Znの合金浴で、Zn-Sn系については723Kで12.1%Znおよび23.6%Znの合金浴で実験した。 センサの形状については各方面から検討し数種類のセンサについて実験した結果の結論として外径8mm長さ300mmの一端封じのパイレックスガラス管を用い、底から30mmの位置に10mm径の穴を開けたものを採用した。その底部に純Znを約1g入れヒートガンで溶解し、それが凝固した後、その上に約10mmKCl固体粉末を充填する。さらにその上に溶融塩粉末を載せ、その部分をバーナーで加熱して溶融塩をKCl中に浸みこませたものをセンサとした。リード線としては絶縁管で保護したタングステン線を底部まで挿入している。いずれの場合も20〜30秒程度で文献値から推定される正常値に近い値がえられることが確認された。溶融塩とKCl固体粉末からなるコンポジット型の電解質の構成には重量比で1:1に配合するのが望ましいことが明らかにされた。問題点としてはLiClの吸湿性によりセンサの製作、保存に特別の配慮が要求されることが大きな欠点である。
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