研究概要 |
家庭用灯油機器の一つに灯油給湯機があるが、気化式は噴霧式に比べ、ターンダウン比が高く、ガス給湯機のような比例制御が容易であり、装置も比較的コンパクトであるといった利点を有している。しかし一方で、燃料の蒸発の際に多大なヒーター用電力を消費する(点火790W,燃焼時470W)という欠点を有しており、灯油の経済性を損なわないためにもこの消費電力の削減が気化式灯油給湯機器の大きな課題である。 そこで本研究では、省電力型の家庭用給湯機器の開発を目的として、火炎および高温炉壁からの輻射熱の還流が促進されると考えられる、孔径が非常に大きな多孔セラミックスを用いた実用規模の燃焼器を試作し燃焼実験を実施するとともに、燃焼開始時に必要とされる灯油の瞬時着火に関する実験的検討を行った結果、次の結果を得た。 1.当量比による温度制御が可能であり、断面方向の温度分布が±30℃程度に抑制される。 2.上流側への熱の還流量は、発熱量の2%以上であることが判り、これを基準に燃焼器設計できる。 3.瞬時着火には灯油の超音波による霧化燃焼を利用するパイロットバーナーが有効である。 4.超音波霧化燃焼バーナーの安定着火は、予混合気の温度が大きく影響し、予混合気の予熱が必要である。
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