研究課題/領域番号 |
11650778
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
新井 紀男 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 教授 (40089842)
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研究分担者 |
津島 栄樹 株式会社先端材料, 技術部長(研究職)
古畑 朋彦 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 助手 (80261585)
末松 良一 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80023232)
錦織 広昌 名古屋大学, 高温エネルギー変換研究センター, 非常勤研究員
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キーワード | SiC含有C / C複合材料 / ゼーベック効果 / 熱電変換特性 |
研究概要 |
UD C/C複合材料について、熱電発電素子としての可能性を検証した。UD C/C複合材料の炭素マトリックス中にSiCを10w%添加することにより、繊維垂直方向の熱電特性は一桁程度向上した。また、UD C/C複合材料の繊維垂直方向の熱伝導率は平行方向に比べて30分の1程度であることがわかった。UD C/C複合材料は炭素マトリックス中にSiCをさらに添加することにより熱電発電の出力因子を増加させ、炭素繊維の密度を大きくすることにより繊維垂直方向の熱伝導率を低下させれば、繊維垂直方向に温度差を与える熱電素子として利用することができる。炭素材料は熱電素子としては不適当であるとされてきたが、UD C/C複合材料の炭素繊維およびマトリックスの組成を制御することにより、熱電特性を向上させる可能性が示された。 新規熱電材料としてのNaCo_2O_4半導体結晶の低温合成を試みた。金属塩と有機配位子を用いた水溶液系ゾルーゲル法によって、従来の焼結法に比べて低温で結晶性のよい粉末を得た。また、本来のゾルーゲル法に比べて安価な原料および簡単な操作でも目的の結晶を得ることができた。ゾルーゲル法では溶液調製および反応の条件を選択することによりゲルの構造を制御できるため、より均一で緻密なゲルを作製することにより、最適な熱電材料を構築できる可能性がある。 FeSi製の熱電発電素子の形状がその熱伝導と電気的性能に与える影響について研究した。素子に切込を入れ、熱抵抗を増加させることにより温度差を大きくすることを考え、各々の素子間の温度差と電力の算出を実験とシミュレーションから行うとともに、切込の大きさや素子長さを変化させることにより素子形状の最適化を図った。この結果、実験と数値解析の結果にはよい一致が見られ、電力の最適値は切込なしの場合よりも約23%増加することが示された。
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