研究課題/領域番号 |
11650780
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
増田 弘昭 京都大学, 工学研究科, 教授 (90026310)
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研究分担者 |
丸山 博之 京都大学, 工学研究科, 助手 (90303867)
田之上 健一郎 京都大学, 工学研究科, 助手 (70293892)
松坂 修二 京都大学, 工学研究科, 助教授 (10219420)
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キーワード | 衝突帯電 / 弾性球 / 電位プロフィール / ヘルツ弾性理論 |
研究概要 |
粒子が壁に衝突するときの電荷の移動について詳細に解析するため、ポリブタジエン製の弾性球と鋼製ターゲットを用いて衝突実験を行った。球体が重力によって壁に接近し、衝突・反発するという一連の運動における電位プロフィールをデジタルオシロスコープで測定し、衝突時の弾性変形の様子を高速カメラで撮影した。なお、高速カメラのトリガーには、デジタル・オシロスコープの出力信号を用いており、電位プロフィールと画像を完全に一致きせることができる。衝突時間は3ミリ秒以下であり、1マイクロ秒の間隔でデジタルデーターを取得することが可能である。得られた結論は以下のとおりである。 1.球体と衝突板との電荷の移動は弾性変形の緩和の過程内で完了する。 2.電位プロフィールは球体の電荷、位置、および速度に依存するが、電位プロフィールの時間積分によって得られる極大値あるいは極小値は、球体の位置および速度の影響を受けない。すなわち、球体が保持する電荷のみによって決まる。球体の初期電荷および衝突帯電による電荷移動量は、衝突前後の極大値あるいは極小値の差を用いて計算できる。 3.繰り返し衝突によって球体に蓄積する電荷は、ある限界値に漸近する。この限界値は帯電と緩和の平衡によって決まる値であり、球体の帯電過程は、初期電荷と電荷の緩和効果を考慮することによって説明できる。 4.衝突帯電による電荷の移動量は、弾性変形における最大接触面積に比例し、弾性理論を導入することによって解析することが可能である。
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