高濃度スラリーの水力輸送によるフライアッシュの廃棄システムの開発

1999 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 11650782
• 研究機関: 神戸大学
• 研究代表者: 薄井 洋基 神戸大学, 工学部, 教授 (20107725)
• 研究分担者: 鈴木 洋 神戸大学, 自然科学研究科, 助教授 (90206524)
• キーワード: 石炭灰 / スラリー / 廃棄物処理 / レオロジー / パイプライン輸送 / 水力輸送 / 固液分散系

研究概要

日本における火力発電所から排出されるフライアッシュは、その性状が多岐に渡っている。そこで本研究では電源開発松浦発電所、および東北電力原町発電所から排出されたフライアッシュを原料とする高濃度フライアッシュ・水スラリーを調製し、それらのスラリーのレオロジー特性を測定した。同時にフライアッシュの粉体特性(粒度分布・表面特性(ζ電位)・円形度など)を測定し、スラリーの流動化特性を非球形粒子に対する非ニュートン粘性モデルで予測した。この結果粉体の基本特性値と粒子間結合エネルギーパラメータによって広範囲のスラリー流動特性の予測が可能であることが明らかになった。
研究第2段階として、スラリー輸送試験装置(配管径5mm)を用いて高濃度フライアッシュスラリーの配管内輸送試験を行なった。第一段階で得られたスラリーのレオロジー特性より推算される流量と圧損の関係をスラリー輸送試験で得られたデータと比較してスケールアップ則の検討を続行中である。
以上の結果を総合して、高濃度石炭灰-水スラリーのパイプライン輸送による火力発電所の石炭灰廃棄処理システムの設計を考察中である。

研究成果

• [文献書誌] Hiromoto Usui,: "Non-Newtonian Viscosity of Dense Slurries Prepared by Non-Spherical Particles"Proc.NEPTIS-8 on Suspension Rheology,Fundamentals and Application to Industrial Processing,Kobe(1999). 104-113 (1999)
• [文献書誌] Hiromoto Usui: "Viscosity Prediction and Transportation of Dense Fly Ash-Water Slurries"Proc.Int.Conf.on Fluid and Thermal Enegy Conversion 2000 July 2-6,2000,Jakarta,INDONESIA. 発売予定. (2000)
• [文献書誌] Hiromoto Usui,: "Transportation and Deposit of Dense Fly Ash-Water Slurry Discharged from a Power Station"Proc.1^<st> Joint China/Japan Chem.Eng.Conf.,Sept.22-24,2000,Beijing,CHINA. 発売予定. (2000)