研究課題/領域番号 |
11650784
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大佐々 邦久 山口大学, 工学部, 教授 (30107726)
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研究分担者 |
坂田 智美 山口大学, 工学部, 教務員 (70284271)
中倉 英雄 山口大学, 工学部, 助教授 (10116733)
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キーワード | 気泡導入式液体サイクロン / プラスチック分別 / 界面活性剤 / 浮選法 |
研究概要 |
異種プラスチックの組合せを用いて、回分式浮選法により抑制剤や気泡剤の選択及びpHなどの条件について探索した。ポり塩化ビニル(PVC)とポリスチレン(PS)の組合せでは、抑制剤としてリグニンスルホン酸ソーダ、添加量300ppm、PH約8において最適となった。PVCとポリエチレンテレフタレート(PET)組合せでは、抑制剤として非イオン性界面活性剤であるポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートやポリオキシエチレンラウリルエーテルなどが数十ppmで効果を発揮した。このようなプラスチックと抑制剤の最適組合せについて、抑制剤吸着量、ゼータ電位あるいはぬれ性などの点から検討した。 気泡導入式液体サイクロンは内径40mm、長さ100mmの円筒形で、上部より接線方向に原液を送入(特殊ポンプ使用、購入備品)し、ステンレス焼結管製の周壁から空気を吹き込んだ。操作条件は入口液速度約4m/s、空気流量0〜31/min、添加剤はリグニンスルホン酸ソーダと気泡剤4メチル2ペンタノール、リグニンスルホン酸ソーダ、無添加の三通りとした。発生気泡径は順に数百μm、1〜2mm、数mm以上である。PVCとPSの組合せでは、オーバフローからPSが、アンダーフローからPVCとPSが流出する。各成分の濃度は熱重量分析装置(購入備品)で測定した。その結果、空気吹き込み条件下では、ニュートン分離効率は無添加で空気流量のやや低い場合に最大となった。この理由は、プラスチックペレットが2mm程度であるため、ペレットに小気泡が付着した場合の遠心効果に比べ、大気泡にペレットが付着した場合の遠心効果が強いためと思われる。従って入口速度は遠心効果の点から6〜8m/sとし、抑制剤はぬれ性のみを制御し、気泡剤の役割を持たないものがよい。
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