研究概要 |
本年度は,粒子形状,電磁場における粒子の挙動ならびにCellular Automatonに関する課題を中心に研究を進めた。「粒子形状」粒子形状が考慮できる粒子要素法シミュレーションの展開は重要な課題である。通常の粉体流動に対して正多角形を媒介とする粒子形状の表現法を開発し,シミュレーションの信頼性を実験により確認した。(現在投稿準備中) 「電磁場の粒子挙動」二成分電子写真装置内における現像剤(磁性粒子であるキャリアとトナー)の流動挙動のシミュレーションを行った。磁場内で現像剤が作る磁気ブラシの形状や挙動を正確にシミュレートし,本シミュレーションによる二成分現像機の最適設計法を提案した。(粉体工学会誌投稿中)パウダークラッチについてもシミュレーションを継続している。「Cellular Automaton」重力場での流動を取り扱うCAルールを明らかにした。貯槽からの排出流動挙動を対象とし,粒子要素法シミュレーション結果を用いて流動過程での粒子間相互作用を詳しく観察してオートマトンルールを見出した。そのルールによるシミュレーション結果は粉体の特異的な流動挙動をよく表現した。つづいて振動場でのルールを追求している。「Smoothed Particle要素法」基礎方程式の検討を進め,振動場での粉体対流挙動のシミュレーションを実行しているが,要素間に摩擦相互作用が必要であることが分かった。この作用力を理論的に組み込む方法を検討中。
|