研究課題/領域番号 |
11650798
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
内田 重男 静岡大学, 工学部, 教授 (10023194)
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研究分担者 |
WARSITO 静岡大学, 工学部, 非常勤研究員
前澤 昭礼 静岡大学, 工学部, 助手 (20209365)
岡村 静致 静岡大学, 工学部, 教授 (20022014)
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キーワード | 廃水処理 / 超音波 / 光酸化触媒 / 界面活性剤 |
研究概要 |
バッチ式の反応器を用いて、超音波のみを用いて界面活性剤含有廃水の処理について検討した。超音波を照射することによリ50ppm程度の界面活性剤は80分程度で完全に分解することが明らかとなった。しかし、8時間超音波を照射してもT0C(全有機炭素)濃度は20%程度しか減少しなかった。これは、界面活性剤の分解中間生成物は超音波のみでは分解されないことを示しており、超音波単独での廃水処理は困難である事を示している。 また、界面活性剤の分解反応場はキャビティ内、キャビティ界面、バルクであり、同時に分解反応に寄与していることを速度論解析を行うことによって明らかにした. 光触媒として二酸化チタンを用いた光酸化法と超音波法との併用処理について検討した。連続処理、すなわち光酸化処理でTOC濃度をかなり低くした後、超音波を照射すると、TOC濃度はわずかであるが減少した。しかし、完全無機化を達成することはできなかった。これは濃度がかなり低いため、キャビティに捕捉される確率がかなり低くなり、反応があまり起こらないためと考えられる。同時処理した場合には、撹拌速度が遅いと超音波の界面活性剤の分解速度への影響はほとんど見られなかった。その理由として、超音波の定在波により光触媒粒子が束縛され、触媒粒子の運動性が減少し、反応確率が低下するためと考えられる.従って、撹拝速度を増加させると、界面活性剤の分解速度はかなり向上した。 触媒懸濁液にガラスビーズを適量添加し、低周波の超音波を照射すると、触媒粒子とガラスビーズが凝集することを見いだした。このことは、溶液中に懸濁した微粒子の分離回収方法の新たな手法として多い期待できるものである。
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