研究概要 |
触媒懸濁液にガラスビーズを適量添加し、低周波の超音波を照射すると、触媒微粒子が凝集することを見いだした。そこで、この超音波による凝集についてさらに検討を行った。 微小粒子として本研究で用いている二酸化チタン粒子(平均粒径:3μm)を用いた。ガラスビーズの粒径は33-44μmのものを用いた。ガラスビーズの添加量は二酸化チタン量(0.03g/500mL)に対して0、1、2,4,8倍とした。超音波の周波数は26kHz、電力は130Wとした ガラスビーズの添加量が少ない(0〜2倍)場合、二酸化チタン粒子は凝集しないか、凝集したとしても極少量であった。4倍、8倍の場合は、二酸化チタンは凝集し沈降した。ガラスビーズ添加量によって凝集するかしないかは、Brant-Hiedemannの理論に従うことがわかった。 このように超音波を用いて凝集させた二酸化チタンは高周波(200KHz)の超音波を照射することにより、再分散することがわかった。この再分散させた二酸化チタンの光触媒活性を調べたところ、多少活性が低くなった。これはガラスビーズと衝突することにより凝集するので、その際に二酸化チタンの形状が変化し細孔が閉塞されたためと考えられる。 再分散させた二酸化チタン粒子を再度超音波で凝集させた後、再分散させて光触媒活性を調べたところ、大きな活性低下は見られなかった。 以上の結果から、低周波数の超音波振動子が設置された凝集・沈降槽と高周波数の超音波振動子と紫外線ランプがが設置された再分散・処理槽からなる2槽式のハイブリッド処理装置を提案した。
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