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1999 年度 実績報告書

分子動力学計算による多環芳香族化合物の積層構造形成とそのダイナミックスの解明

研究課題

研究課題/領域番号 11650804
研究機関北海道大学

研究代表者

熊谷 治夫  北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30234511)

キーワード光学的異方性組織 / 分子動力学計算 / ^1H-NMR / スピン-スピン緩和時間 / 多環芳香族化合物 / 重質炭化水素
研究概要

^1H-NMR緩和時間測定によりピッチの分子運動性の変化を評価し,熱処理に伴う光学的異方性組織の展開について検討した.得られた成果を以下の示す.
(1)光学的異方性組織はガウス型の緩和を示すT_2の短い成分(G1)として観察される
(2)保持時間が短い,すなわち芳香族化合物の縮合が十分に進行していない条件では,ガウス型の緩和を示す比較的T_2の長い成分(G2)が認められる.
(3)ピッチを緩やかに冷却した場合,G2成分はG1成分に変化し冷却後のピッチには光学的異方性組織の微小球が生成する.この変化は不可逆であり,再加熱によってもT_2は変化しないことから,G2成分は光学的異方性組織の前駆体と考えられる.
これらの結果は,適当な条件下では比較的環構造の小さな芳香族化合物でも積層構造を形成し,光学的異方性組織が展開可能であることを示唆している.これらの結果を踏まえ,多環芳香族化合物としてピレン(4環)を,マトリックスとしてナフタレンとそのアルキル誘導体を用い分子動力学計算を行った.積層構造形成のダイナミックスに関して得られた結果を以下に示す.
(1)アルキル側鎖のないナフタレンをマトリックスとした場合,ナフタレンとピレン間の相互作用により,系全体が積層構造を形成する.
(2)アルキル側鎖数の増加に従い,ピレン同士の積層が支配的となる.
(3)積層構造の形成はvan der Waalsおよびelectrostatics相互作用に強く依存する.
現在,分子動力学計算に用いた系について,分子運動性の温度変化を^1H-NMRにより検討中である.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] R.MORIYAMA, H.KUMAGAI: "Formation of mesophase spheres from a coal tar pitch upon heating and subsequent cooling observed by an in situ 1H-NMR"Carbon. 38・6(未定)(発効予定). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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