研究課題/領域番号 |
11650817
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
大政 健史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00252586)
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研究分担者 |
片倉 啓雄 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50263207)
岸本 通雅 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00144436)
菅 健一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029250)
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キーワード | 遺伝子増幅 / FISH / フローサイトメーター |
研究概要 |
細胞培養を用いて、有用物質生産を行う場合、通常、目的とする有用物質遺伝子を遺伝子組換え手法を用いて細胞に組み込んだ後、遺伝子増幅を行わせ、目的物質を高度に生産する細胞株を取得している。遺伝子増幅現象を利用する場合には、まず、目的有用物質遺伝子と、増幅可能な遺伝子の両方を持つベクターを構築する。次に、これを細胞に組み込み、増幅可能な遺伝子の産物に対する阻害剤耐性を獲得した細胞を選択する。最終的に、増幅可能な遺伝子と、目的有用物質遺伝子の両方が増幅された細胞株(目的有用物質高生産株)を取得することができる。本研究では、染色体上の特定遺伝子の位置を明らかにできるFISH(fluorescence in situ hybridization)法を用いて、遺伝子増幅領域と、目的遺伝子の生産性、安定性との関係について検討した。これまで、FISH法を用いて、選択できた細胞株の遺伝子増幅位置に違いがあることは明らかにした。そこで、さらに、増幅位置による生産性、安定性の関係について明らかにすることを目的として検討を行った。増幅位置によって、生産性、安定性が異なれば、ある特定の位置に増幅された細胞株を取得することにより、長期間の安定性試験を経なくても、高生産かつ安定性の高い細胞株を取得することが可能となる。高生産で安定な細胞株を迅速かつ選択的に分取する方法について検討を行った結果、蛍光標識した増幅遺伝子dhfrに対する阻害剤F-MTXを細胞内にとりこませることにより、細胞内遺伝子増幅量の多い細胞を特異的にラベルすることに成功した。さらに、この方法とこれまでに行われたFISHの結果を組み合わせることにより、特異的に特定の領域において遺伝子増幅が起こっている細胞を取得する可能性が示唆された。
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