研究概要 |
機能性界面の調製においてはポリマー製のマイクロチャンネルを開発することにより、大きな自由度で界面の設計ができるようになった。即ち、1)ポリマーとしてポリエステルを用い、ガラスなどの鋳型を用いてマイクロチャンネルを作製する方法の開発。2)不飽和ポリエステルの縮合の際に不飽和結合を持つ機能性分子を共存させることにより自動的に機能を組み込む方法の開発。3)機能性分子を更に結合させる方法の開発などに成功した。具体的には研究成果を参照してほしい。次に界面をプローブする全反射熱レンズ分光法を開発した。本法によりガラスー溶液界面における色素分子の状態をプローブすることが可能となった。即ち、本法によりガラス界面における色素の吸着平衡、吸着状態、吸着速度などについての知見をはじめて得ることができた。更に本法を拡張し液液・界面における錯形成挙動及び輸送系に適用した。また、高機能化、高精細化を目指し、全反射熱レンズ顕微鏡の開発研究を行った。本研究は全反射熱レンズ分光法の適用範囲を大幅に拡大する、もので細胞表面・材料界面などの位置分解測定という新分野を開拓できる可能性がある。顕微化に関して特に進展があった。即ちガラス空気界面にパターニングした種々の物質をイメージングするためマイクロ加工技術によって微細パターンを固体表面に作製し,励起光及びプローブ光ビームをx, y走査しイメージングした。光源には現有のアルゴンイオンレーザ、固体青色レーザーを用い,ビーム直径と走査速度分解能について検討した。(プローブ光にはHe-Neレーザーを使用),台形プリズムを新たに試作し、この底面にポジ型フォトレジスト塗布し種々の網目の大きさを持った顕微鏡用メッシュシートをマスクとしてパターニングした。励起アルゴンイオンレーザーをビームエクスパンダーで拡大後、ガラス・空気界面に集光照射することにより10μm以下の分解能を有する走査イメージができることがわかった。また、ビームを2次元的に走査することにより高熟変換イメージを得ることもでき物質の界面での存在状態に対応したイメージングの可能性を強く示唆した。
|