研究課題/領域番号 |
11650843
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉浦 隆 岐阜大学, 工学部, 助教授 (40171144)
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研究分担者 |
箕浦 秀樹 岐阜大学, 工学部, 教授 (40021612)
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キーワード | 酸化チタン / 光電気化学エッチング / ナノポーラス構造 / フォトエッチング / 粒界 / 半導体表面処理 / エッチングサイト選択性 |
研究概要 |
酸化チタンを硫酸水溶液中で光電気化学エッチング(フォトエッチング)すると、エッチング反応がルチル型構造のc-軸方向に選択的に進行し、結晶粒表面に断面が正方形で(100)面の薄い壁からなるナノポーラス構造が形成されることを見いだした。この処理により、高配向性かつ大比表面積の酸化チタン表面を形成することができる。酸化チタン電極をフォトエッチング処理したときに形成されるこのナノポーラス構造の形態制御を目的とし、電極作製条件およびフォトエッチング条件を変化させたときの表面形態について検討した。 還元条件を変化させて作製した酸化チタン電極に対してフォトエッチング処理した後の表面SEM像から高温で還元処理した電極ほど形成されるポーラス構造が細かくなることがわかった。電極のインピーダンス測定から、還元温度に依存してキャリア密度が大きく変化しており、このポーラス構造の孔径は、キャリア密度によって制御できると考えられる。1000℃で還元した酸化チタン(001)面単結晶表面を光電気化学エッチングすることにより、数十ナノメートルサイズのナノハニカム構造を形成することができた。 また、エッチング電位を変化させることにより、酸化チタン電極のフラットバンドに近い、弱いアノード分極下で光電気化学エッチングを行ったところ、焼結体電極の粒界部のみを溶け残すことができた。その高分解能透過電子顕微鏡観察により、粒界部の構造像解析を行った。溶け残った酸化チタン焼結体の粒界部は、2つの異なる配向性を持つ酸化チタンの結晶性の層2枚からなるサンドイッチ構造を持つことがわかった。
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