研究概要 |
エチレンやオレフィンに対し、重合活性を示す触媒として、Kaminsky触媒やBrooghart触媒が知られているが、これら2つの触媒はいずれも助触媒MAO(メチルアルモキサン)を必要とする。それらに比べ、ランタニドメタロセンは助触媒や添加剤なしでオレフィンに重合活性を示すことで注目を浴びている。 オレフィンに対し、重合活性を示す有機ランタニド錯体の構造と活性の相関の解析のため、今年度、平成13年度は、新しく見いだされた、オレフィンにたいして重合活性を示す、橋架けした3価の複核Sm錯体;rac-Sm-Cl, Me_2Si[2,4-(Me_3Si)_2C_5H_2]_2SmCl_2Li(THF)_2(1a),C_1-Sm-Cl, Me_2Si[2,4-(Me_3Si)_2C_5H_2][3,4-(Me_3Si)_2C_5H_2]_2SmCl_2Li(THF)_2(2a),C_1(Ph_2Si)-Sm-Cl, Ph_2Si[2,4-(Me_3Si)_2C_5H_2]_[[3,4-(Me_3Si)_2C_5H_2]_2SmCl_2Li-(THF)_2(3),meso-Sm-Cl, [1,2-(Me_2Si)(Me_2SiOSiMe_2)](4-Me_3C_5H_2)_2SmCl_2Li(THF)_2(4a)および、3価の単核Y錯体;rac-Y-Cl, Me_2Si[2,4-(Me_3Si)_2C_5H_2]_2YCl_2Li(THF)_2(5a)C_1-Y-Cl, Me_2Si[2,4-(Me_3Si)_2C_5H_2][3,4-(Me_3Si)_2C_5H_2]_2YCl_2Li(THF)_2(6a)meso-Y-Cl, Me_2SiOSiMe_2)](4-Me_3SiC_5H_2)_2YCl(THF)(7a)のX線結晶構造解析を行った。 これら錯体のX線構造解析の結果,シクロペンタヂエニル配位子に付く置換基の種類および,位置による立体効果とオレフィン重合活性との間に相関関係があることがわかった。
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