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1999 年度 実績報告書

レーザアブレーションが引き起こす生体系組織コラーゲン膜の光-熱変換機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11650850
研究機関東京理科大学

研究代表者

石井 忠浩  東京理科大学, 理学部, 教授 (00084319)

研究分担者 角田 勝則  東京理科大学, 理学部, 助手 (80307694)
矢島 博文  東京理科大学, 理学部, 助教授 (10147506)
キーワードコラーゲン / アブレーション / 時間分解測定 / エキシマレーザー / 照射雰囲気 / 熱変性 / 配向 / 表面微細構造
研究概要

1)時間分解測定:乾燥フィルムの時間分解写真にはレーザー照射後50ns〜500nsまでの早い時間領域においてにショックウェーブが観察されたが、分解生成物の飛散の様子はレーザー照射後150μsの間には観察されなかった。一方、膨潤コラーゲンフィルムの時間分解写真には、乾燥フィルムの場合と同様にレーザー照射後50ns〜1μsの間においてショックウェーブが観察され、さらにレーザー照射後100ns〜50μsにかけて分解生成物が飛散していく様子が観察された。また、両フィルムについて100mJ/cm^2で1pulseのアブレーション後、照射面のIRスペクトルを測定し、アミドIバンドに相当する1663cm^<-1>と1636cm^<-1>のピークの強度比から照射面の熱変性の程度を評価した。その結果、アブレーション後の表面に存在するコラーゲンは乾燥フィルムではほぼ完全に熱変性してゼラチン化してしまっていることがわかった。一方、膨潤フィルムでは乾燥時に比べてアブレーション後の表面の熱変性が抑えられていることがわかった。このことから系内に存在する水はアブレーション時に気化することによってレーザー照射面の温度上昇を緩和していることが示唆された。
2)AFMによる表面観察と被照射分子表面の生化学的挙動の研究:また、微細構造体の形状はフィルム中の分子配列状態のみに依存して形成することが分かり、ランダムに配列している場合は突起状、一方向に配列している場合は配列方向に垂直な壁状の微細構造体が形成することが分かった。微細構造体の増大速度は三重ヘリックス構造の含有量によっても変化した。微細構造体は低パルス領域において多く形成した微少な突起状構造体がパルス数の増加と共に集合することによって増大することが分かった。この増大過程は壁状微細構造体においても同様であった。微細構造体の増大過程は熱変性に伴う分子の収縮・集合に起因すると考えられる。微細構造体が形成した表面に線維芽細胞を培養した結果、アブレーション前の表面に比べて細胞接着能、細胞増殖能ともに抑制された。以上2つの結果は、光化学討論会(1999年9月)およびレーザー学会学術講演会第20回年次大会(2000年1月)で発表した。

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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