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2000 年度 実績報告書

光感応性黒鉛層間化合物の創製と二酸化炭素固定化への応用

研究課題

研究課題/領域番号 11650854
研究機関奈良工業高等専門学校

研究代表者

泉 生一郎  奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 教授 (50043477)

研究分担者 石丸 裕士  奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 講師 (70270311)
京兼 純  奈良工業高等専門学校, 電気工学科, 教授 (50043469)
片倉 勝己  奈良工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教授 (80169466)
キーワード黒鉛層間化合物 / 光触媒 / 水素生成 / 水分解 / 塩化銅 / 二酸化炭素の還元固定化 / 炭素被覆TiO2 / 染料含有溶液の脱色
研究概要

本研究は、金属塩化物-黒鉛層間化合物の光感応性を確認するとともに、水分解による水素生成や二酸化炭素の還元に適用することを目的としており、平成11年度と平成12年度の2年計画で実施した。得られた研究成果の概要は以下の通りである。
1.ホスト黒鉛材料として高品質の黒鉛材料を用い、塩化第二銅と混合して400〜500℃のガスアンプル内で数日間反応させることによって、塩化銅-黒鉛層間化合物(以下、CuCl_2-GICと略す)を合成した。合成したCuCl_2-GICを電極として、硫酸カリウム水溶液中でXe光照射を行うと光電流を生じ、CuCl_2-GICの光感応性を確認した。
2.メタノール水溶液中、CuCl_2-GICとCu粉末との混合懸濁系にXe光照射を行うと、光照射時間に比例して水素が生成することを見出した。また、CuCl_2-GIC量の増加に対しては水素生成が頭打ちとなり、メタノール濃度に対しては75%(vol.)で極大を示した。これらの結果は、メタノール水溶液からの水素生成がCuCl_2-GICが関与する光触媒反応であることを示唆するものであり、反応前後のCuCl_2-GICのX線光電子分析や種々のコントロール実験の実施結果から、この新規のGIC光触媒による水素生成のメカニズムを提案した。
3.光触媒反応および電気化学反応における二酸化炭素の還元について、それらの詳細な反応機作について検討を行った。光触媒反応については、二液分離型光化学ダイオードによる二酸化炭素の還元固定化反応を扱い、硫酸銅を添加しておけば炭化水素生成が10倍の速度で進行し、金属Cuが二酸化炭素還元の触媒として有効であることなどを明らかにした。他方、二酸化炭素の電気化学還元については、回転リング・ディスク電極によって機構解析を試み、電極の回転による二酸化炭素還元への有効性が示唆された。
4.光触媒として、TiO_2粉末とポリ塩化ビニルの粉末を混合し、窒素気流中で焼成し、TiO_2/Cの混合比や焼成温度が異なるものを調製した。この炭素被覆TiO_2粉末を染料含有溶液に懸濁させ、撹拌しながらブラックライトによる光照射を行い、優れた脱色効果を有することを見出した。本研究ではモデル染料溶液としてローダミンB含有溶液を使用し、脱色に対する炭素被覆TiO_2調製時の焼成温度依存性や、TiO_2/C比の違いによる依存性についても明らかにした。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 大西康幸: "二液分離型光化学ダイオードを用いたCO_2固定化反応"奈良工業高等専門学校研究紀要. No.35. 91-96 (1999)

  • [文献書誌] J.Kyokane: "Electrostriction Effect of Polyuretane Elastomer and Its Application to Actuators"Synthetic Metals. Vol.103. 2366-2367 (1999)

  • [文献書誌] 小野裕香: "RRDEによる電気化学的CO_2還元の機構解析"電気化学会 技術・教育研究論文誌. Vol.9. 15-22 (2000)

  • [文献書誌] 大西康幸: "黒鉛層間化合物による新規光触媒反応"電気化学会 技術・教育研究論文誌. Vol.9. 47-51 (2000)

  • [文献書誌] 小久見善八: "新世代工学シリーズ 電気化学"オーム社. 163 (2000)

  • [文献書誌] 藤井信行: "ニューテック化学シリーズ 物理化学"朝倉書店. 161 (2000)

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公開日: 2002-04-03   更新日: 2016-04-21  

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