研究課題/領域番号 |
11650855
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
中村 聡 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (40227898)
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研究分担者 |
大柿 真毅 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 助手 (50223748)
山下 仁大 東京医科歯科大学, 生体材料工学研究所, 教授 (70174670)
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キーワード | ヒドロキシアパタイト / アパタイト / 分極 / バイオミメティック / ゾル・ゲル法 / 細胞培養 |
研究概要 |
本研究では、分極処理したハイドロキシアパタイト上に各種のセラミックス膜をゾル・ゲル法でコーティングし、その表面特性を変化させることにより、バイオミメティック膜形成をコントロールすることを目的としている。本年度(平成11年度)は分極ハイドロキシアパタイトの作製とその基礎物性の検討として、自家合成したハイドロキシアパタイトにより焼結体の作製し、これに分極化処理を施し、これの材料化学的な分析、分極特性の測定を行った。得られた分極ハイドロキシアパタイトは表面に電荷を誘起していることがコロイド吸着実験より実証できた。残留電荷量は時間経過とともに漸減したが、6ヶ月経過してもわずかに減少しただけであった。 この分極処理ハイドロキシアパタイト表面にゾル・ゲル法によりハイドロキシアパタイト、チタニア及び部分安定化ジルコニアのコーティングを行った。得られた薄膜のキャラクタリゼーションをX線回折法、赤外吸収スペクトル分光法、X線電子分光法で行った。この膜に対してバイオミメティック法による生体活性評価を行った。その結果、骨類似アパタイトが最も形成されやすいのは、負電荷を誘起したハイドロキシアパタイト表面であることがわかった。さらに、培養細胞系による検討を行うための予備実験として、細胞の接着性に影響を及ぼすコーティング膜の表面荒さを測定した。その結果、試料相互間に表面荒さの大きな相違は存在せず、細胞培養実験に適当であることがわかった。
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