金属酸化物微粒子スラリーによる耐熱性多孔質膜作製のため、はじめにアルミナ系の複合触媒粒子の作製を中心に行った。リーンバーン領域での窒素酸化物等有害ガスを除去するための触媒応用をめざして、遷移金属で修飾した活性アルミナの固相反応と相転移および触媒活性評価を行い、あわせて細孔等の状態の観察した。相転移を防止し耐熱性を高めるための表面修飾効果について研究し、特定元素の少量の添加が有効であることが分かった。結果の一部については、日本セラミックス協会年会で発表するとともに、欧文論文誌に投稿中である。また、活性アルミナのスラリーのレオロジー評価も並行して行い、最適な膜形成条件を見出すための系統的な実験を実施している。これらにより、排ガス浄化触媒に応用しうる多孔質膜の作製技術が確立されるものと考えている。次年度は、さらに実験結果を集約し、応用分野を広げるとともに、より耐熱性に優れた触媒用材料技術へと展開する。
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