研究課題/領域番号 |
11650861
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
古川 直治 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081338)
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研究分担者 |
井上 博史 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (00213174)
岩倉 千秋 大阪府立大学, 工学部, 教授 (00029183)
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キーワード | 水素吸蔵合金 / 低温特性 / ニッケル-金属水素化物電池 / 圧力-組成-等温線 / 充放電特性 / 高率放電能 / 合金設計 / 交換電流密度 |
研究概要 |
本研究では、水素吸蔵合金の電気化学的特性が低温で低下する原因を解明し、その特性改善をはかるための合金設計について検討した。得られた知見を総括すると以下のようになる。 1)AB_5型水素吸蔵合金について20℃〜-40℃の温度範囲でジーベルツ法により圧力-組成-等温線を測定した結果、温度が低下すると合金の水素吸蔵量は増大するが平衡水素圧が低下することが認められた。このことから低温において吸蔵水素は合金内で安定化しニッケル-金属水素化物電池の放電が起こりにくくなることが明らかになった。 2)ニッケル-水素化物電池の負極における放電反応過程を、溶液内のイオン伝導、合金表面での電荷移動および合金中での水素の拡散の素過程に分け、低温域での電解液の電気伝導率、電極反応の交換電流密度および合金中での水素の拡散係数をそれぞれ求め、上記の反応過程を解析した。その結果、低温で水素吸蔵合金表面での電荷移動抵抗が増大することおよび合金内での水素拡散速度が低下することが高率放電能を低下させる原因であることがわかった。 3)以上の知見をもとに、合金中に異種金属を添加し触媒活性を増大させることにより、低温におけるニッケル-金属水素化物電池の高率放電能の向上を図った。 以上の成果の一部は第67回電気化学会(平成12年4月)で発表予定である。今後種々の添加元素の影響を群しく検討し低温域における合金設計の指針を得る。
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