研究分担者 |
三浦 啓一 太平洋セメント(株), 中央研究所, グループリーダー
丸田 俊久 太平洋セメント(株), 中央研究所, グループリーダー
橋本 和明 千葉工業大学, 工学部, 助教授 (90255159)
TANAKA Tomoko Okayama University, Faculty of Letters, Associate Professor (40227153)
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研究概要 |
首都圏や大都市圏では下水道の完備が進み,それにともなって下水汚泥焼却灰の処理問題が起こっている.東京都でも汚泥焼却灰の処理は,新しい用途開発して肥料や固形ブロックなどに利用しようとしているが,いまだそのほとんどは埋め立て処理に頼っている.しかし,その処分場もあと数年でいっぱいになり,きわめて切実な問題になっている.また,下水汚泥焼却灰の利用法については,いろいろと考案されているが,処理量が少なかったり,処理費が高価であったりと現実性のある方法がなかなか見つかっていない.そこで本研究では,ゼロエミッションを意識した処理方法を前提として,下水汚泥焼却灰を安価に大量に処理できるセメント原料化への利用を検討する. 一方、ゴミ焼却灰についても下水汚泥焼却灰と同様にその処分問題が起こっている。ゴミ焼却灰は下水汚泥焼却灰とは異なり、重金属成分が含まれているために安易には埋め立て処分できない。そこで有価な重金属成分を資源リサイクルし、最終的に残った処理物をセメント原料に利用する方法を検討するゼロエミッション処理を開発する. (1)汚泥焼却灰からのリン酸成分の溶出、分離・回収する方法の検討 汚泥焼却灰中のリン酸基の形態は無機リン酸塩の形で固定されている.このことから,汚泥焼却灰を硫酸溶液で溶出処理することにより,有効的に焼却灰からリン酸成分を溶出させることができ,セメント原料化を可能にした.溶出したリン酸成分を溶媒抽出法によって回収した.有機溶媒層にn-ブタノールを用いた場合にリン酸の抽出に優れた選択性を有することを認めた.また,この選択性は抽出時のpHや有機溶媒相および逆抽出相の相比などにも影響していることを明らかにし,この方法によって溶出したリン酸だけを適当な濃度まで回収,濃縮することができた. (2)重油燃焼灰からのバナジウムおよびニッケル成分の回収 重油燃焼灰からバナジウムおよびニッケル成分の有効な浸出条件を見いだし、溶媒抽出法によってニッケル成分の分離回収の条件と、冷却晶析法を用いて高純度のバナジン酸アンモニウムの合成条件を明らかにした. (3)ゴミ焼却飛灰からの銅、亜鉛および鉛成分の除去・回収 ゴミ焼却飛灰から銅、亜鉛および鉛成分の除去・回収し、最終的に残った処理物はセメント原料にリサイクルできる方法を開発した
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