研究課題/領域番号 |
11650880
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
増田 弦 北見工業大学, 工学部, 教授 (10003188)
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研究分担者 |
村田 美樹 北見工業大学, 工学部, 助手 (40271754)
渡邉 眞次 北見工業大学, 工学部, 助教授 (10240491)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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キーワード | パラジウム触媒 / ヒドロホウ素化合物 / ホウ素化反応 / 有機ハロゲン化物 / 有機ホウ素化合物 |
研究概要 |
既にハロゲン化アリールとピナコールボランなどのヒドロホウ素化合物との反応において、適当なパラジウム触媒と塩基の存在下、ホウ素原子がハロゲンを選択的に置換することを見いだしているが、本研究ではこのホウ素化反応の適用範囲の拡張を目的とし、種々の有機求電子剤のホウ素化について検討を行った。その結果、アルケニルトリフラート(1mmol)とピナコールボラン(1.5mmol)をジクロロ(ビスジフェニルホスフィノフェロセン)パラジウム(0.03mmol)、トリフェニルアルシン(0.12mmol)、トリエチルアミン(3mmol)の存在下、ジオキサン(4ml)中80℃で16時間撹拌すると、目的のホウ素化が進行し対応するアルケニルホウ素化合物を立体選択的に与えることを見いだした。これまで環状のアルケニルホウ素化合物の有効な合成法はあまり知られていない。本反応において出発物となるアルケニルトリフラートは対応するケトンエノラートから得られるが、本手法を用いることにより、環状ケトンより環状のアルケニルホウ素化合物が簡便に得られる。また、ハロゲン化ベンジルを基質として用いた場合も、ほぼ同様の条件下でホウ素化が進行する。 しかしながら、ハロゲン化アリルを基質として用いた場合、パラジウム触媒を用いてもホウ素化体が全く得られなかった。種々の遷移金属触媒を検討したところ、(ビスジベンジリデンアセトン)白金(0.03mmol)とトリフェニルアルシン(0.12mmol)から調製した錯体を用いると、目的のホウ素化が進行し対応するアリルホウ素化合物を与えることを見いだした。本反応の位置および立体選択性は非常に高く、塩化クロチル(E/Z=87/13)のホウ素化では、(E)体のクロチルボランのみが生成し、(Z)体は認められない。また、3-クロロ-1-ブテンからも塩化クロチルと同様の生成物が得られた。
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