シリカゲルと(トリメトキシ)シリルベンジルクロリドとの反応によってシリカゲル上にベンジルクロリド部位を導入した。さらに、1-エチル-3-(3'-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドとの4級化反応によって、縮合剤であるカルボジイミドをシリカゲル上に固定化した。しかし、この反応は定量的に進行せず、未反応のベンジルクロリドが20%程度残存することがわかった。すなわち、アミノ基とカルボキシル基を有するヘテロ2官能性ポリスチレンの脱水環化反応を行う際に、末端アミノ基とシリカゲル表面に残存するクロロメチルフェニル部位との縮合反応によってヘテロ2官能性ポリスチレンが不可逆的に固定化してしまう問題点が明らかとなった。そこで、あらかじめ、(トリメトキシ)シリルベンジルクロリドと1-エチル-3-(3'-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミドとの4級化反応によって、カルボジイミド部位を有するシランカップリング試薬を合成した。次に、シリカゲルとの反応を行い、シリカゲルにカルボジイミドを固定化することができた。元素分析の結果から、シリカゲル1g当たり0.5mmol程度のカルボジイミドが導入されていることがわかった。そこで、得られたカルボジイミド修飾シリカゲルを固体縮合剤として用いたα-カルボキシル-ω-アミノヘテロ2官能性ポリスチレンの分子内環化反応を行った。その結果、20%と十分に満足いく収率ではなかったが、1分子内脱水生成物である環状ポリスチレンを選択的に得ることができた。
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