研究課題/領域番号 |
11650922
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
奥山 健二 東京農工大学, 工学部, 教授 (30038020)
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研究分担者 |
野口 恵一 東京農工大学, 機器分析センター, 講師 (00251588)
神鳥 成弘 東京農工大学, 工学部, 助教授 (00262246)
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キーワード | コラーゲン / コラーゲン構造 / 構造モデル / X線回折 / 繊維回折 / 結晶構造解析 / トリプルヘリックス / コイルドコイル |
研究概要 |
本研究の目的は、代表者らがモデルペプチドの構造を基に1977年以来提案しているコラーゲンの構造モデルの妥当性を、天然コラーゲンのX線回折像の精密な構造解析を行う事により検証することにある。本年度は次の点において研究の進展をみた。 (1)試料としてカンガルーやワラビーの腱を用い、X線測定中に試料を一定湿度に保つために不凍液を使う方法が簡便であることが分かった。また、試料の性状は尻尾から腱の取り出し部位により異なり、尻尾の中央部分が一番良好な配向性を持っていることが分かった。 (2)天然コラーゲンからのX線回折像は、いかに試料調整の工夫を重ねても、X線回折としては非常にブロードで不鮮明である。そこでバックグラウンドの除去が重要な課題となる。即ち、結晶性の良い通常のX線回折像からの強度測定では各反射毎にバックグラウンド除去を行うが、この様な方法はとれない。そこで、種々検討の結果、CCP13のプログラムパッケイジ中のプログラムを使い、Fourier-Bessel級数により二次元的に回折像中のバックグラウンドを補正する方法が最上であることが分かり、この方法を採用した。 (3)本年度も放射光利用の申請はしたが、課題として採用されなかった。しかし、今回初めて「ワラビーの尻尾の腱から得たコラーゲンのX線繊維回折」という課題で採択され、平成13年5月にSpring-8の利用が決まったので、大いに期待している。
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