研究課題/領域番号 |
11650926
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
小駒 喜郎 信州大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20185573)
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研究分担者 |
村上 好成 信州大学, 繊維学部, 助教授 (80174283)
近藤 慶之 信州大学, 繊維学部, 教授 (10021148)
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キーワード | シトクロム / P-450 / フェレドキシン / アドレノドキシン / ステロイドホルモン / センサー / 電気化学反応 |
研究概要 |
フェレドキシン(FDX)の一種であるアドレノドキシン(ADX)は、P-450を還元することで、ステロイドホルモンの生合成、胆汁酸の生合成、ビタミンD3の代謝に関わっており、ADXの電子伝達をin vitroで制御できればP-450のメディエーターとしての利用が期待できる。しかし、ADXの電極応答については、まだあまり知られていない。そこで、本研究ではADXの溶液系での電極応答をFDXと比較検討すること、また工学的な応用を目指し、FDXを電極上へ固定し、応答を試みた。 ADXの電極応答をFDXと比較した。ITO電極を用いた場合、FDXは溶液中にポリカチオンであるポリリシンやポリアリルアミン(PAA)を添加すると、可逆的に電極応答した。ADXは、どちらを添加した場合も準可逆的な反応を示したが、PAAの方がより効果的であることが示された。金電極を用いた場合は、電極上に正電荷を導入しても、負電荷を導入しても、FDX、ADXいずれも電極応答を示さず、電極表面の電荷の存在密度が重要であることが示された。次に、FDXの電極上への固定化を試みた。APTESで修飾したITO電極上に固定する場合は、架橋試薬にEDCを用いるとFDXは電極応答することができたが、グルタルアルデヒドでは電極応答しなかった。また、金電極の場合もITO電極と同様にPAAを介した後、EDCを用いることで、FDXを電極応答できる状態で固定することに成功した。 以上、ADXがFDXとほぼ同様の電極応答をすることが示され、FDXは電極上に固定しても、効率よく電極応答することが示された。今後、これらのFDXやADXをメディエーターとして用いることで、P-450の電極活性をin vitro制御できることが期待される。
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